おはようございます!代表の安田です。
法人住民税と法人事業税について、それぞれの個別の取扱いに加えて、共通する論点がいくつか存在します。今回は、これらの税目に共通する分割基準と申告納税について解説します。
<分割基準>
法人が複数の都道府県、市区町村に事業所を有する場合、法人事業税と法人住民税法人税割の課税標準額は一定の基準で按分し、それぞれの地域ごとに課税標準額と税額を計算します。この按分基準のことを「分割基準」といいます。
法人住民税法人税割
従業者の数を使用します。
法人事業税
法人の業種区分に応じた基準を使用します。具体的には、事業所等の数や従業者の数が基準として用いられます。
<分割基準の詳細>
事業所等の数
事業の必要から設けられた人的および物的設備であり、継続して事業が行なわれる場所を事業所等と言います。事業年度中の各月の末日時点の数の合計を基に算定します。
従業者の数
従業者の意義:給与支給の有無や勤務形態にかかわらず、給与等の支払いを受けるべき者を指します。役員、アルバイト、パートタイマー、派遣社員も含まれます。
従業者の数の算定:事業年度末日の従業者の人数を基に算定します。ただし、新設・廃止があった場合は、所在した月数で按分します。
従業者の数が著しく変動した場合
著しく変動した場合とは、各月末日の人数を見た際、最多人数が最少人数の2倍超になっている場合をいいます。この場合における従業者の数は、各月末日の人数の平均人数が分割基準の人数になります。
<申告書に添付する別表>
分割基準が適用される法人は、「課税標準額の分割に関する明細書」を地方税申告書に添付して提出する必要があります。
<中間申告と確定申告>
中間申告
事業年度が6月を超える法人は、事業年度開始の日以後6月を経過した日から2月以内に中間申告と中間納付の義務があります。
例えば、3月決算法人であれば、11月末が中間申告書の提出および納付の期限となります。
予定申告
前事業年度の確定税額を基に予定納税額を計算します。
仮決算申告
中間申告対象期間を1事業年度とみなして仮決算を行い納税額を算出します。
確定申告
法人税と同様、各事業年度の末日から2月以内が確定申告書の提出期限および納付期限です。申告期限の延長特例が適用される場合は、定められた期間が提出および納付期限となります。
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