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株主提案権の見直し

  • yasuda-cpa-office
  • 4月15日
  • 読了時間: 2分

はようございます!代表の安田です。


株主提案権に関する制度設計について、会社法の見直しをめぐる議論が進展しつつあります。とりわけ注目されているのは、「議決権数」に基づく株主提案要件の見直しです。


現行制度の概要

現行の会社法では、以下のいずれかの要件を満たす株主に株主提案権が認められています。

  • 発行済議決権総数の1%以上を保有していること

  • 300個以上の議決権を6か月以上継続して保有していること

この制度設計により、一定の継続保有および影響力を持つ株主に提案の機会が与えられています。


株式分割と議決権要件の問題点

近年、個人投資家の参入を促進する目的で、株式分割を実施する企業が増加しています。これにより、1単元あたりの株式数が増え、結果として少額の投資でも300議決権以上を取得できるケースが散見されるようになりました。

このような状況下では、全体に占める議決権の割合が非常に低いにもかかわらず、株主提案権を行使できることとなり、制度の乱用や過度な負担を企業に与える懸念が生じています。


欧米諸国との比較と今後の方向性

アメリカやイギリスをはじめとする欧米諸国では、議決権数を基準とした株主提案制度は採用されていません。これに倣い、日本でも制度見直しの一環として、議決権数を基準とする要件の廃止が検討されています。

法務省および法制審議会による会社法改正の議論が今後本格化する見込みであり、本件も主要な検討課題の一つとなると見られています。


過度な制限を避けるための代替案

ただし、議決権数要件を廃止するにあたっては、少数株主の正当な権利行使が不当に制限されないような配慮が求められます。例えば、提案権行使の代替要件として「一定金額以上の株式保有」などの投資額要件を設けることが検討されており、制度のバランスが問われています。


まとめ

株主提案制度は、コーポレート・ガバナンスの重要な一端を担う仕組みです。一方で、その要件設計には慎重な検討が必要であり、企業と株主の健全な対話のあり方が問われています。今後の法改正の動向に注目が集まります。


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