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バーチャルオンリー株主総会

  • yasuda-cpa-office
  • 3月30日
  • 読了時間: 2分

おはようございます!代表の安田です。


近年、デジタル技術の進展に伴い、企業活動の多くがオンライン化する中で、株主総会の在り方にも変化の波が押し寄せています。その代表例が「バーチャルオンリー株主総会」です。


バーチャルオンリー株主総会とは?

バーチャルオンリー株主総会とは、物理的な会場を設けず、インターネット上でのみ開催される株主総会を指します。従来の総会に必要であった会場の確保や運営費用が不要になることから、企業にとってはコスト削減や業務効率化の面でメリットがあります。


現行の会社法では、株主総会や社債権者集会には「開催場所」の定めが必要とされていますが、産業競争力強化法により、一定の要件を満たし、経済産業大臣および法務大臣の確認を受けた上場会社に限り、バーチャルオンリー株主総会の開催が特例的に認められています。


開催実績と法改正の動き

2024年6月末時点で、バーチャルオンリー株主総会を開催した企業は67社、開催回数は累計126回にとどまっており、まだ普及途上にあるのが実情です。これを受けて、会社法改正に向けた議論が進められており、2025年2月には法制審議会において、「バーチャルオンリー株主総会および社債権者集会に関する規律の整備」が検討項目に挙げられました。

今後の論点としては、以下のような点が挙げられています:

  • 開催要件の明確化

  • 上場企業か否か、企業規模を問わず開催を認めるべきか

  • 株主による「物理的な場所での開催請求権」をどう扱うか

  • 通信障害発生時の取扱い

特に通信障害に関しては、株主が総会に参加できなかった場合、総会決議の取消事由となる可能性があるため、企業側には事前の対策が求められます。今後の法改正では、「故意または重過失がある場合のみ取消を認める」といった限定的な規定の導入も検討されているようです。


今後の企業実務への影響

今後、バーチャルオンリー株主総会の制度が本格的に整備されれば、より多くの企業がこの形式を選択する可能性があります。特に、株主が遠隔地に分散している企業や、人的・物理的資源に限りのある中堅・中小企業にとっては、有力な選択肢となるでしょう。

ただし、株主の公平な参加機会の確保、通信環境の整備、そして法的リスクの管理など、慎重な検討と準備が不可欠です。今後の法改正の動向を注視しつつ、自社にとって最適な総会の形を検討する時期に来ているといえます。





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